(No.3608)飛距離とゴルフ

 スロープレイ問題が顕在化し、飛ぶボール問題は横に置かれた感じだが、アダム・スコットとタイガー・ウッズの主張は、同じ視点を示している。アダム・スコットは、「元来、ドライバーは一番難しいクラブだが、今日では、科学の粋を尽くしたドライバーを握り、力の限り振り回せばよい。ゴルフにおけるテクニックの比重は減少している。コース設計家の思惑を技量で乗り越えていくところにゴルフの醍醐味があるのだが、彼等の飛距離はそこを飛び越している」と批判する。
 タイガーの主張はもっと強烈だ。「ドライバーを振り回して距離を稼ぎ、短いクラブで寄せる。パワーで持って、年に数トーナメントで良い結果を出し稼ぐ。毎試合予選通過しなくともよい。継続性、安定性は課題ではない。彼等はそれを理解しているのだ」。
 310-350ヤード辺りのフェアウェイを狭め、ラフを長くする。或いは、その界隈に顎の高いバンカーを設ける。飛距離自慢の男達を震え上がらせることは可能だろうが、同時に距離の出ない選手にも負荷を掛けることが必要だ。ドライバーで安全圏内のフェアウェイに打てば、第二打でボールを止められない長いクラブを使かわざるを得ない。高弾道のボールか、スピンの効いたボールしか止まらないグリーンコンディションに仕上げれば、ショットメーカーにはプレッシャーとなる。正確なショットプレイヤーと飛ばし屋が、持ち味を生かし五分五分に戦うコースレイアウトが必須だ。アマは距離の短いティから打てばよい。USGAに篤志家はいないか、私にコース改造を任せてくれるような。

 ハリー王子夫妻が短期間に豪華なプライベート・ジェットを何度も乗り回し、大気汚染を引き起こしたと批判されている。一方、ウィリアムス王子一家は自宅のあるノーウィッチから女王が静養中のスコットランド・アバーディーンまで、定期運航便を利用したと称賛された。
 これには漫画みたいなオチがあった。この定期航路を運航しているのはEastern Airwaysだが、実際に運航しているのはスコットランドの Loganairである。所謂、コードシェアー便だ。Eastern Airwaysは、欧州最大の地域航空会社であるFlybeの傘下に入っている。ウィリアムス王子一家が傘下の路線に乗ることを知ったFlybe会長が、宣伝の為に自社のロゴの入った機体を飛ばすことを決断した。Eastern Airwaysのハブ空港であるHumberside空港から123マイル離れたノーウィッチ空港へ自社機を移動させ(勿論、乗客は乗せていない)、定期便として王子一家を乗せてアバーディーンへ飛んだ。王子の一家の行動はマスコミに美談として取り上げられ、Flybeのロゴの入った機体も放映された。ここまではFlybe会長の思惑通りだった。
 だが内部告発により、Loganairの機体(本来帰り便としてノーウィッチ空港にあった)は、空のまま(乗客は全てFlybeが乗せていった)アバーディーンにもどったことが判明した。この結果、Flybeのハンバーサイドからノーウィッチ空港への移動、及びアバーディーン空港からハンバーサイド空港への戻り移動(アバーディーンからノーウィッチへの便は通常通りLoganairが運航する)は勿論乗客なしで、更に乗客を奪われたノーウィッチ空港からアバーディーンへのLoganairの機体も乗客を乗せなかった。会社の宣伝の為に、無用な炭酸ガスを排出したと猛批判を浴びている。ウィリアムス王子一家はこのことを一切知らなかった。

 大学の仲間との飲み会だ。午後4時何時もの居酒屋に集まる。働き方改革、若者から冒険心が失われているのは何故か。最近北欧を旅してきた先輩は、老後の心配がないスウェーデンの若者は挑戦できる、という。ちょっと待て!北欧の高福祉社会は最初から出来上がっていたわけではない。社会蓄積があったからこそだ。彼等は如何にしてそれを手に入れたのか。第二次世界大戦で中立的立場に立った北欧諸国は、復興景気に一早く参入し、好景気と人手不足に直面した。そこで女性の労働力が必要となり、それを可能にさせる社会制度を整えた。今日の高福祉政策の基盤はここにある。持って瞑すべし。他にも色々議論したが覚えていない。3時間半の饗宴だった。

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