(No.3603)Royal Portrush、全英オープンの後の北アイルランド

 何故、Royal Portrushで長い間全英オープンが開催されなかったか。それは北アイルランド紛争に関わる。根深い人種対立、宗教戦争が長引き、全英オープンは開催されなかった。1998年和解が成立したが、R&Aは20年間開催に二の足を踏んでいた。ポートラッシュ、及びアイルランド政府の誘致活動が実を結び開催された全英オープンは大成功だった、と誰もが思い、今尚その余韻に浸っている。
 北アイルランド紛争は決して古い話ではない。1972年1月、英国統治に反対するデモが北アイルランドのロンドンデリーで開催された。このデモ行進に、英国軍落下傘部隊が銃撃し14名が死亡した。被害者の殆どが未成年だった。ボグサイドの虐殺(Bogside Massacre)と呼ばれる。当初英国政府は責任を認めなかったが、ブレア政権は300億円もの経費を掛けて真相究明を行い、その後のキャメロン首相は責任を認め謝罪をした。
 調査報告は、「F伍長は無防備の市民13人を射殺した」と指摘したが、他の軍人16人は証拠不十分で不起訴となった。F伍長は、銃と爆弾を所持していた者にしか発砲しなかったと主張したが、最終的に無防備の2人を殺害した罪で今年3月起訴された。F伍長の弁護費用は英国政府が負担する。英国残留派(プロテスタント)は、数十年も経って今さら罪に問うのはフェアーではないと怒る。
 去る8月15日、日本の終戦記念日と同じ日に、Portrushの近くのロンドンデリーで、起訴がF伍長一人だったことに怒るアイルランド統一派(カソリック)が、虐殺現場に集まり、「ファイアーストーム” bonfire pyre”」を焚き、抗議行動を行った。残りの11人の殺害の原因究明を残したまま終結宣言をした英国政府報告への不信が、ファイアーストームとなって燃え上がったのだ。20-30メートルに積み上げられた薪に英国国旗と伍長Fの幟(ノボリ)を被せ火をつけた。双方の緊張感は再び張り詰めだした。
 先日まで、セイン・ローリーの優勝を共に喜び合った人たちが、新たな争いを始める。所詮、スポーツはこの程度なのか。

 一方、ゴルフは政治に役立つと思われいる。少なくともトランプ大統領と安倍首相には。これに英国ジョンソン首相が加わりそうだ。首相指名運動中から彼はゴルフの練習を熱心にやりだした。腕前はとてもとても上手とは言えず、農夫スタイルと伝わる。5年前ロンドンのテームズ川上で開催されたゴルフの的当てゲームにマキロイと参加した彼のショットはお世辞にも華麗とは言えない代物だった。
 関係者は、ジョンソンがゴルフを始めたこととトランプとは何の関係もないというが、「Brexitのややこしい時にゴルフをするなんて!」とか「ゴルフでは苛々するものだ。トランプとゴルフして衝突する機会がないとも言えない」とか、人は好き勝手に批判する。しかし、EU離脱後の英国の貿易交渉の最初の相手はゴルフ好きのトランプだからゴルフが道を切り開くのではないか、と期待する人もいる。
 彼はG7会議で安倍首相にその効果の如何を率直に訊くかもしれない。我々は未だその効果を見ていないが、安倍さんは密かに得ているのかもしれない。仮にそうだとすると、安倍さんはジョンソンに真実を語らないかも知れない。
 トランプ大統領は「ゴルフのラウンドの方が、ランチを一緒に取るより何倍も知り合うことができる」と語っているが、この台詞は注文を碌に取らないくせに客とゴルフばかりするビジネスマンの言い訳によく出てくる。

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